Japan 公式ブログ
Google の企業向けソリューションに関する公式な情報やユーザーの事例などを、いち早く皆さんにお届けします。
Ocean Network Express Pte. Ltd. も Google へ - 新会社創設に向け、既存 3 社の働き方やシームレスなシステム統合に G Suite を活用
2018年4月9日月曜日
高品質なサービスと安心・安全なオペレーションを 100 年にわたり提供してきた歴史ある企業、川崎汽船、商船三井、日本郵船の 3 社定期コンテナ船事業を事業統合し 2017年 7月に創設された
Ocean Network Express Pte. Ltd.
。
新会社の本社をシンガポールに設置し、この 4 月よりサービスを開始する同社はグローバルで G Suite を導入し 100% クラウド化を達成しています。
既存3社の働き方統合や異なるシステムの統合を G Suite を活用しどのように円滑に進めたのか、その背景を CEO ジェレミー・ニクソン氏と本プロジェクト担当の BPIT Strategy & Innovation Senior Vice President 和田 浩介氏にお話をお伺いしたインタビュー動画をご覧ください。
G Suite のその他の導入事例は
こちら
をご覧ください。
ビッグローブ株式会社の導入事例: 使いやすいメール機能やスケジュール機能、強固なセキュリティなど G Suite の先進機能を駆使して “働き方改革” を強力に推進
2018年3月5日月曜日
国内有数のインターネットサービスプロバイダー(ISP)として知られる BIGLOBE が、自社の業務システムとして、昨夏より G Suite を導入した。Google ならではの先進的な取り組みによって “働き方改革” を成し遂げたいとする同社。その成果について、完全移行後 3 か月時点での状況を語ってもらった。
■ 写真左から
事業管理本部 IT サービス部 主任 高橋 啓明氏
事業管理本部 本部長代理 兼 IT サービス部長 池澤 聖司氏
事業管理本部 IT サービス部 マネージャー 高岡 健氏
■
ビッグローブ株式会社
光回線、Wi-Fi、モバイルなど、主としてインターネットを利用した通信サービスの提供を行う、国内最大級の ISP(Internet Service Provider)。2017 年 1 月より KDDI グループ傘下。
G Suite なら “働き方改革” が実現できると期待
品川シーサイドの本社を中心に約 1200 名の社員・スタッフが働く、ビッグローブ株式会社。同社ではこれまでオンプレミスでメールシステムを運用していたが、昨春、使用していたメールシステムのライセンス終了に伴い、新しい環境への移行を検討することになった。
「その際、大きな問題となったのが、そのシステムを、我々が ISP としてお客さまに提供しているメール環境でも使っていたこと。社内だけでなく、そちらも同時に移行する必要があったのです。当然、優先順位としてはお客さまの環境を間違いなく移行させることの方が上。そこで、社内環境はなるべく工数をかけずに移行できる既存のクラウドサービスを利用しようということになりました。」(高岡氏)
いくつかのサービスを比較検討し、最終的に希望する機能をフルマークで備える 2 つのサービスに絞り込んだ同社。そこから結果的に G Suite が選ばれた理由については、高岡氏ら IT サービス部を統括し、このプロジェクトを率いた池澤氏が語ってくれた。
「従来システムと比べて 2〜3 割程度のコストダウンが見込めることに加え、今回、何より重視したのは、新システム導入によって業務の効率化や、生産性の向上が達成されること。つまり “働き方改革” です。最終候補となったもう 1 つのサービスは、既存の仕組みをそっくりそのままクラウド化するというアプローチのものだったのですが、G Suite はビジネスや IT の最新事情を踏まえた全く新しい考え方に基づき設計されており、そこに期待しました。今まで我々が当たり前だと思っていたことを変えてくれるのではないだろうか、と。」
導入してわずか数か月で早くも成果を実感できるように
2017 年 5 月に G Suite 導入を決定し、8 月頭には全社員・スタッフへの ID 配布がスタート。念のため、約 1 か月間は旧システムにもアクセスできるようにしていたが、特に大きな不具合は発生しなかったと言う。「必ず予想外の問題が起きると思っていたのですが、驚くほど何もありませんでした。」(高岡氏)
その上で、導入直後から目に見えて生産性の向上が感じられるようになった。まず、最も利用頻度の高いメールについては、強力な迷惑メールフィルターがメールの仕分けの手間を劇的に軽減。社員への周知を担当した IT サービス部の高橋氏曰く「あまりに迷惑メールを見かけなくなってしまったがゆえに、普段、迷惑メールに悩まされていたことも忘れてしまうほど(笑)。また、セキュリティ面でも、明確にメール経由でのウイルス感染が激減しました。スパムメールが届かないので、毎朝 10 分ほどかけてスパムメールをゴミ箱に捨てていた作業もなくなりました。セキュリティ監査機能やログ機能の充実も G Suite を選んだ理由の 1 つなのですが、そもそもアラートの鳴る回数が減っているんです。セキュリティ面以外でも強力な検索機能などが好評でしたね。情報を探す手間が大幅に削減し生産性向上に寄与してくれています。」
なお同社では、何らかのウイルスに感染してしまった疑いがある場合、検査の末に疑惑が解消されてもシステムを再インストールせねばならないという極めて厳しいルール適用を予定している。その際、PC 内データのセキュアなバックアップと復元が大変な手間になるのだが、クラウドベースでストレージ容量無制限の G Suite を利用すれば対応も容易だ。
Google カレンダーの必須化によって日程調整工数を劇的削減
メール以外では、スケジュール調整の点で大きな成果があったと言う。これまでのシステムにもスケジュール管理機能はあったのだが、あまりの使い勝手の悪さから利用が進まず、結果として社員間でのスケジュール調整が非効率になっていた。
「そこで、G Suite 導入を契機に、自分の予定を必ず Google カレンダーに入力するよう要請しました。結果、会議の時間調整などを招待機能を使ってスムーズに行えるように。これまでは参加者 1 人ひとりに連絡を取り、どうしても繋がらない場合は直接会いに行くことで日程を調整していたのですが、弊社はオフィスが 2 つのビルの複数フロアに分散しているため、これがとても大変。G Suite のおかげで日程調整の工数を激減させることができました。」(高岡氏)
効果的な活用を啓蒙しつつ、今後は BYOD なども解放していきたい
反面、これからの課題となっていることもある。中でもとりわけ “抵抗” が大きかったのが、オフィススイートの移行。G Suite にはドキュメントやスプレッドシートなどの文書制作機能が備わっているが、現時点では Microsoft Office を使っている社員が多いとのこと。ただし、ビッグローブとしてはこれを強制的に移行していくつもりは今のところないそうだ。
「機能面で完全に置き換えられるものではないので、そこは使い分けてもらおうと考えています。強力な共同編集機能などは確実に生産性を高めてくれますから、コラボレーションやコミュニケーションが必要なシーンでは G Suite を活用するようにしたいですね。ただ、その上で、そうした G Suite の便利さが伝わりきっていないのも事実です。そこで IT サービス部では、台帳や座席表などみんなが使うものについて、積極的に G Suite に移行。まずは実際に触ってもらうことで、その便利さに気がついてもらおうと努力しています。」(高岡氏)
G Suite への移行が完了してまだ数か月。現在は、予想外のトラブルに備えつつ、少しずつ機能を解放しているところだと言う。「今後は、これまで以上に、旧システムではできなかったことを実現していきたいと考えています。これまで禁止されていた BYOD も検討したい。G Suite を駆使して、より自由な働き方を実現していきたいですね。」(高岡氏)
ビッグローブ株式会社の導入事例 PDF は
こちら
をご覧ください。
G Suite のその他の導入事例は
こちら
をご覧ください。
Peach Aviation株式会社も Google へ - 容量無制限、強力な検索機能、便利な各種ツール群など G Suite への完全移行でスタッフの “働き方” が変わった
2018年1月10日水曜日
創業以来、約 5 年間運用してきたオンプレミスのプライベートクラウドを、2016 年春から G Suite に切り替えた Peach Aviation株式会社。問題続きだったという従来システムから、いかにして G Suite への移行を果たし、そしてそれが今、どのような “働き方” 改革を起こしているのか、同社「イノベーション統括部」に訊ねた。
■ 写真左から
人事・イノベーション統括本部 イノベーション統括部
サイバーセキュリティタスクフォースマネージャー 辻井 良彦 氏
人事・イノベーション統括本部 イノベーション統括部
システムストラテジスト 坂本 崇 氏
人事・イノベーション統括本部 イノベーション統括部 部長 前野 純 氏
■
Peach Aviation株式会社
「365 日、いつでも低価格な旅を提供すること」を目標に掲げる国内発 LCC。ブランド名は「Peach」。従業員数は 1001 名(派遣社員・出向者を除く、2017 年 12 月時点)
G Suite の導入でイノベーションを推進する
2011 年 2 月に創業し、関西国際空港を拠点に、国内・アジア地域に幅広く就航する Peach。「イノベーション統括部」と名付けられた同社 IT 部門は、その名称に象徴されるよう、テクノロジーの活用によって、業務にアクティブな刺激を与えることも大きな目的の 1 つとしている。しかし、創業当初の同社業務システムには大きな問題があったと、イノベーション統括部 システムストラテジスト 坂本 崇氏は当時をふり返る。
「プライベートクラウドを使った業務システムを立ち上げたのですが、事業規模の急拡大や人員増に対して仕様が全く追いつかず……全社員に向けて、容量の大きなメールの削除を依頼したり、サイズの大きなデータについてローカルで保存してもらうなどといった通達をせねばならなくなっていました。せっかくクラウドを導入したのに、その美点を全く推進できていなかったのです。また、毎月アップデートされるシステムのメンテナンスのために、この 5 年間、定期的に生産性のあまりない残業をせねばならなかったのが辛かったですね(笑)」
そこで、2015 年末、いよいよ同社はパブリッククラウドサービスへの移行を決意し、さまざまな選択肢の中から G Suite を選択する。
「決め手はやはり容量が無制限であること。今度こそ、全てのデータをクラウド上に置くようにしたかったので、何よりこの点を重視しました。また、機能ごとにサーバーを立て、用途に合わせてモジュールを導入していかねばならない他社サービスと比べ、その名の通り全部入りな、G Suite のコンセプトにも惹かれました。」(坂本氏)
セキュリティ改善も G Suite に求めていたことの一つ
さらにもう 1 つ、Peach が G Suite に期待していたのが強力なセキュリティ。これまでのプライベートクラウド環境では、年々、悪質化・高度化していくサイバー攻撃への完全な対策が難しくなっていくことは自明の理だった。
「G Suite では、600 人ものセキュリティ専門家が、24 時間 365 日、目を光らせてくれているのが実に心強い。各ユーザーの利用状況を監視・記録してくれる Google Vault を導入したことで、何かあった際の対応も迅速に行えるようになりました。」(坂本氏)
なお、その運用に際しては、100 近く存在するチームドライブの権限管理を部門ごとに徹底。アクセス可能なドメインを限定することなど、2 重、3 重の工夫で情報漏洩を防いでいる。
AppBridge を駆使して既存システムからデータをそのまま移植
そして 2016 年春、いよいよ既存システムから G Suite への移行作業がスタートする。この際、高いハードルとなっていたのが、既存データをどのように移行するか。当時、国内には既存システムから G Suite への移行ソリューションが存在しなかったため、相談した全てのベンダーから移行の断念を勧められてしまったのだとか。しかし、同社には大量のマニュアルや契約書などが存在するため、それはできない相談だったと、今回のプロジェクトを統括する立場だった同社イノベーション統括部 部長 前野 純氏は言う。
「どうしても諦めきれず、解決方法を模索した結果、AppBridge(Google が買収)というツールを使えば、それが可能であることが分かりました。当時はまだ日本語環境での実績がないということだったのですが、今回、あえてこれを導入。約 100 人の先行導入チームから段階的に導入を開始し、メール移行に約半年、ファイル移行に約 1 年かけて、800 アカウント、165 万オブジェクト、総計約 3.4 TB ものデータ移植を完了することができました。なお、作業が終わるタイミングでチームドライブが発表されたことから、適切な権限設定を行うために、チームドライブ用に移行をしなおしています。そこで時間をロスしてしまいましたが、それがなければ、約半年で作業が完了していたはずです。」
完全移行完了から約半年が経過した現在、同社スタッフからの G Suite への評判は上々とのこと。
「移行が完了してすぐ、何人もの社員が私のところに G Suite を絶賛しにやってきました。特に検索機能が強力かつ、高速だったことが好評でしたね。容量無制限であることについては、皆、にわかには信じられなかったようで、『本当に全部上げちゃって大丈夫なの?』なんて問い合わせが何度もあったくらいです(笑)。」(坂本氏)
結果、同社スタッフの “働き方” は革命的に変化。部内でのファイル共有に関しても、強力な検索機能や、「クイック アクセス」機能などによって、まずファイルを探すのに苦労するという手間から解放された。複数名で同時にファイルを編集できる共同編集機能では、これまで行なっていた一人での編集作業と比べて、速度はもちろん品質も大幅に向上、ハングアウトのようなコミュニケーションツールも、世界中にスタッフが点在する同社の業務では重宝されていると言う。
「また、IT 部門サイドからしてみても、運用費が約 40% 削減できたことや、フルマネージドサービスならではの管理効率向上が大きなメリットとして挙げられます。サーバーのメンテナンスに時間を取られることが無くなったのは本当にうれしいこと。結果として残業時間が以前の 3 分の 1 程度になりました。」(前野氏)
移行が完了した現在の目標は、先日リリースされた新機能「ドライブ ファイル ストリーム」を導入し、100% 完全に、PC からローカルファイルを排除することだそうだ。
Google Cloud Platform を駆使した業務効率改善にも着手
ここまでで紹介した G Suite の事例に加え、Peach では、Google Cloud Platform も 2015 年末より活用中。BigQuery を利用することで、それまで散在していた、運航状況や予約状況、機内販売実績などといったデータを集約し、掛け合わせて分析できるようになったと言う。
「安い、速い、簡単なのが、BigQuery の良いところ。特に “簡単” というのがポイントで、Google Data Studio などの BI ツールを経由して、エンジニアではない営業担当でも簡単に欲しいデータを引っ張ってこられるというのが素晴らしいですね。」( 辻井氏)
現在は、そのほか、機械学習を使った自動音声対応システムを実証実験中。社外からかかってきた外線電話を、音声認識で当該スタッフの携帯電話に接続するといった取り組みも行っている。
Peach Aviation株式会社の導入事例 PDF は
こちら
をご覧ください。
G Suite のその他の導入事例は
こちら
をご覧ください。
J.フロント リテイリング株式会社・YKK AP 株式会社の導入事例動画:ワークスタイル変革のために大手企業が G Suite を導入した理由とは
2017年9月12日火曜日
大丸や松坂屋などの百貨店を舞台にしたホールディング会社である
J.フロント リテイリング株式会社
は、今後、小売業事業を中心としたマルチリテイラーから、新たな領域拡大に一歩踏み込んだ ”マルチサービスリテイラー” へと転換をはかろうとしています。
顧客に対して「暮らし方」「楽しみ方」の両面から、新たな価値を提供するべく、”くらしの「あたらしい幸せ」を発明する”というグループビジョンを設定。
従業員は発明体質に変わるという大きな目標を持ち、スピードアップ、コラボレーション、イノベーションが鍵であるとし、山積する課題をツールを活用することで解消するため、
G Suite
を選択したと同社 経営戦略統括部 グループ経営戦略 ICT 新規事業担当 土屋 真弓さんは言います。
また、住空間を創造する建築用プロダクツを取り扱い AP 事業を担う
YKK AP 株式会社
。同社が抱える大きな課題であるデジタルトランスフォーメーションを実現するため G Suite を採用。自社で抱える各種ツールの運用によりファイルサーバー、メール、電子掲示板に情報が散在しているため、情報の再活用が困難な状況にあったと言います。
フルクラウド構成サービスの G Suite の導入により運用のコストを最小化することに成功。
また課題であった情報の再活用も「
Google Cloud Search
を使いクラウド上に統合管理した情報を横断検索することで、セキュアにかつオープンに、レスポンスよく必要な情報にアクセスすることができ、
日々のストレスや業務工数が大幅に削減されるでしょう。
そして効率的なコミュニケーションを実現し、その分の時間を戦略や改革へ費やしていきたいと考えています」と同社 IT 統括部 ソリューションアーキテクト齋藤 充宏さんは語ります。
ワークスタイル変革や、IT 運用コスト削減を掲げ、クラウド移行を進める J.フロント リテイリング株式会社・YKK AP 株式会社 のインタビューをご覧ください。
Google Cloud Next ‘17 in Tokyo セッション登壇動画:
G Suite は他社サービスとどう違うのか ?〜大手企業の G Suite 採用理由を実際にご紹介〜
G Suite のその他の導入事例は
こちら
をご覧ください。
オープンハウスも Google へ - G Suite、Google Cloud Platform の導入で、劇的なデジタルトランスフォーメーションに成功
2017年7月26日水曜日
東京 23 区と名古屋エリアを中心に不動産業を展開する株式会社オープンハウス。ユニークなテレビ CM でも知られますが、2013 年 9 月に東証一部上場して以来、売上高の CAGR(年平均成長率)は 30% を超え、業界随一の高成長を続けています。そんな同社は、今から 2 年半前に社内 ICT システムの大幅刷新を実施。オフショア開発と G Suite、Google Cloud Platform(GCP) の組みあわせで、劇的な業務効率向上とコストダウンを実現しました。
株式会社オープンハウス CIO 田口 慶二氏
■ 利用している Google Cloud サービス
G Suite
、
Google Compute Engine
、
BigQuery
など
■
株式会社オープンハウス
1997 年設立。土地を確保し、家を建て、それを売るまでを一気通貫で行なう、SPA(製販一体形)のビジネスモデルで、新築戸建物件の販売を行なう。2012 年以降、自社ブランドによる営業を開始し、知名度も向上。現在は国内だけでなく、海外(米国・中国)でも精力的に事業を拡大している。
G Suite の導入による業務効率向上で働き方が変わった
「それまで我が社では、メールシステムのみクラウド環境で、他社内システムは社内にサーバーを構築、運用していたのですが、2015 年初頭にオンプレミスへの投資を停止。コミュニケーション基盤を G Suite に移行し、同時に全社員にスマートフォンを持たせることで、“モバイルファースト” に大きく舵を切りました。」
そう語るのは、株式会社オープンハウスの CIO(最高情報責任者)である、田口 慶二さん。それまで同社では、営業部隊の情報共有を社用のフィーチャーフォンへのメール一斉同報などで行なっており、それが正確な情報共有を妨げていたのだそうです。あるときは、メールの文字数制限で重要な情報が現場に届かず、大きなトラブルを引き起こしてしまったということも。そうしたトラブルを未然に防ぐため、ミドル / バックオフィスの担当者が、わざわざ現場の担当者に電話して回るという非効率も発生していました。
「G Suite 導入の目的は、こうした情報共有の最適化によって、お客様に正しい情報を速やかに提供できるようにすることと、営業部隊が効率的に業務を遂行できるようにすること。そのために行なったことの 1 つが、営業資料の電子化です。物件情報などを全て PDF 化し、これを Google ドライブで共有することで、営業が出先から何時でも好きな情報を自由に取り出せるように。資料を取りに戻ってくる必要がなくなったので、直行直帰でも質の高い仕事ができるようになりました。」(田口さん)
面白かったのが、これによって “優秀な営業” の定義が変わったことだと田口さんは続けます。それまでは、毎朝、会社の資料庫から、適切な情報を素早く見つけることのできる者が優秀とされていたのですが、電子化以降は、より本質的な営業能力が問われるようになったそうです。
「また、G Suite の導入と並行して、申請書・稟議書などのやり取りも電子化したのですが、これによって、社長・重役決裁までの速度が劇的に向上しています。決裁時に参考資料として提出される現地写真も、スマートフォンで撮ったものを自動的にクラウドへアップロード・共有する仕組みを作ったことで効率化。これまでは調査から意思決定までおよそ 2 週間はかかっていたのですが、今ではこれが最短 2 日程度になっています。事業スピードが格段に向上しましたね。」(田口さん)
こうした劇的な「デジタルトランスフォーメーション」は、従来の非効率な環境で苦労していた現場スタッフ陣から大きな感動を持って受け入れられました。導入前は少なからず、やり方が変わってしまうことへの抵抗があることを想定していたそうですが、すんなりと移行できたとのこと。むしろ、情報を効率的に共有でき、会社に身体を縛られないメリットの方が大きかったようです。
「多くの社員が既に Gmail などの Google サービスを利用していたこと、そして、移行に際し、チェンジマネジメントの観点から、営業部門で活躍していた若手を情報流通のコミュニケーションエバンジェリストとして引き抜き、営業担当者の目線で新環境のペネトレーションに貢献してもらったこともスムーズな移行に貢献したと考えています。」(田口さん)
Google ドライブを活用して、物件情報を社内で共有
来たる “AI の時代” を見据えて Google Cloud Platform への移行を決意
先に田口さんが語ったように、オープンハウスは 2015 年初頭にオンプレミスへの投資を取りやめ、同社の ICT 環境をクラウド化させていく道を選びました。近年、多くの企業が頭を悩ませているディザスタリカバリー(災害被害の予防・回復措置)対策や、安定稼働のための冗長化コストをオンプレミスで担保していくことが難しいと判断したためです。また、これを機に、これまでパートナー企業に依頼していた業務システムを自社開発に切り替え、さらなるスピードアップを図りたいという狙いもありました。
ただし、その際選んだのは、他社のクラウドプラットフォーム。そして、移行から約 2 年間、特に大きな問題は起きていなかったそうです。しかし、この春、オープンハウスは、SFA(Sales Force Automation)や工事物件管理システムなど、多くの業務システムを GCP に移行させはじめました。なぜでしょうか?
「これから先の、中長期的な IT 基盤を検討していくとき、今や AI は無視できない存在。我々としても、将来的には一部業務を AI にシフトしてコストを削減したいというもくろみがあります。そう考えたとき、実はモバイルシフト、クラウドシフトの際もそうだったのですが、我々と Google の見ている未来が重なっているな、と。また、これまではシステムリソースの監視をパートナー企業にお願いしていたのですが、GCP なら、Stackdriver を使うことで、従来の他社クラウドも含めてモニタリングでき、コストを大きく削減できるというメリットもありました。費用面では分単位で課金され、使っていない時にはお金がかからないというのも大きかったですね。その上で、昨年 11 月に東京リージョンが追加されたことも背中を押してくれました。」(田口さん)
こうして現在は、基幹システムのごく一部を除き、業務機能のほとんどを GCP に移行済み。他社クラウドから動かせないものについては、BigQuery 経由で接続し、GCP 上にデータを蓄積するようにしています。そして、来年以降はこうしたデータを AI で活用していく予定。機械学習(Machine Learning)、深層学習(Deep Learning)を駆使して KFS(Key Factor for Success)を浮き彫りにし、社内でのノウハウ共有、スキルの底上げ、定着の加速化に役立てていくそうです。
「GCP 導入のおかげで、開発チームが最も重要な企画部分に知恵と時間を割くことができるようになり、大きく作業効率が向上しています。もちろん、費用面でも既に大きな効果が出ています。あくまで一般論ですが、東証一部上場企業が IT 投資として売上の 1~1.5% を使っている中、我が社は、内製で機動的に動くことができる技術者を国内外に有し、サービス自体にかかる費用でも 30% 程度のコスト削減効果が得られているほか、 GCP のライブマイグレーションにより冗長化の必要がなくなり、単純にコストが半分になるなどしたことで、5~6 分の 1 程度のコストで最先端の業務システム基盤を実現し運用することができました。 今後も、G Suite と GCP、2 つのサービスがシナジーを生んでくれることに期待しています。」(田口さん)
株式会社オープンハウス
の導入事例 PDF は
こちら
をご覧ください。
G Suite のその他の導入事例は
こちら
をご覧ください。
GCP のその他の導入事例は
こちら
をご覧ください。
帝国ホテルも Google へ - お客さまの「帝国ホテル」への信頼を裏切らない 新時代の情報システムを求めて G Suite Business を導入
2017年6月2日金曜日
日本を代表する高級ホテルとして世界的にもその名を知られる「帝国ホテル」が 2016 年 11 月より、メールを中心とした情報システムを
G Suite
に移行した。その理由と現在の活用状況、そして同社が G Suite を活用して今後実現しようとしていることを訊く。多岐にわたる顧客情報も取り扱っている帝国ホテルが、その情報システムに求めるものとは一体何だったのか。
写真左から
株式会社 帝国ホテル
情報システム部 福壽 太郞氏
情報システム部 課長 廣石 征司氏
情報システム部 システム課 副支配人 白坂 孝一氏
■
株式会社 帝国ホテル
1890 年に日本の迎賓館として「最高のサービスと商品を提供する」という理念のもとに開業。東京のほか、大阪、上高地などに直営ホテルを運営している。
従業員数は 1,976 名(2017 年 3 月時点)
情報漏洩はもはや他人事ではないという危機感
1999 年に全社的にメールの利用を始め、約 17 年間、オンプレミスでこれを運用してきた帝国ホテル。しかし、長らく利用してきたメールアプライアンスの販売中止が急遽決定し、サポートが終了する 2016 年 10 月末までに新たなソリューションへの移行をせねばならなくなった。期限まで残り 3 か月となった 2016 年 7 月よりこのプロジェクトの担当に任命された同社情報システム部 課長 廣石 征司氏は、これを社内情報システムを一新するチャンスだと考えた。
「たしかにきっかけはメールアプライアンスの販売中止なのですが、それよりも、当時話題となっていた企業の情報漏洩問題への対策が急務だと考えていました。事故を起こした企業の情報システムについて調べれば調べるほど、それが誰にとっても他人事ではないことが分かります。当時のシステムが悪いものだったとは言いませんが、高度化するサイバー攻撃や、さらなる IT 活用を推進していくためにも、よりセキュリティ性の高い情報システムに移行せねばならないという危機感があったのです。例えば、メールやその添付データを従業員のPC に保存できてしまうような仕組みはもう時代遅れ。こうした仕組みを今回の移行時に改めたいと考えました。」
そのほか、同社のメールシステムには、それぞれのメール保存領域が小さすぎるという問題も。古いメールを一定期間で削除しなければならない手間やリスクについて、現場の声を聞いていた。
G Suite で “世界最高水準のセキュリティ” を実現
これを受けて、2016 年夏ごろから、クラウド、オンプレミスを問わず、多数の情報システムを検討開始。最終的には 3 社に絞り込み、そこから G Suite が選ばれることとなった。
「決め手となったのは、やはりセキュリティ面。Google では 約 550 名ものセキュリティ専門家が最新のセキュリティ情報に基づき、サーバーを監視してくれているということが心強かったですね。オンプレミスではそんなことは到底できませんから。そのほか、添付ファイルをまずプレビューで確認できることや、万が一、添付ファイルなどが流出しても高度な暗号化によって容易には開けないようになっていること、新たにネットワーク設備を追加することなく導入できることも決定を後押ししてくれました。他の選択肢では必須のセキュリティ機能追加が別料金だったり、社内ネットワーク環境を作り変えなければならない問題があったので、G Suite の高機能・柔軟性はありがたかったです」(同社情報システム部 システム課 副支配人 白坂 孝一氏)
「経営陣にはこれを『専門家による世界最高水準のセキュリティを一定の対価で享受できる』とプレゼン。なおこの際、調査会社から『 Google を選択している企業はイノベーションを求める傾向が強い』というコメントをもらっていたことも少なからず影響がありました。帝国ホテルはどうしても保守的な企業と思われがちなのですが、実は革新的なことに積極的にも取り組んでいこうという社風があります。今回はまず Gmail ありきでしたが、ハングアウト、Google+ など、Google の各種サービスが、我々の今後の “働き方” を変えてくれるのではないかという期待感もあったんですよ。」(廣石氏)
堅牢セキュリティでお客さまの情報を守り抜く
こうして 2016 年 11 月 1 日から帝国ホテルでの G Suite 運用がスタート。クラウドのメリットを最大限に引き出すため、PC 内にデータを保存しないことをルール化し、それを抜き打ちで検査するなど、当初はその活用法を徹底的に教え込んだと言う。
「従業員向け講習会を東京・大阪で合計 20 回ほど実施しました。IT リテラシーには個人差があるので、皆が飽きてしまわないよう、分かりやすくメリットを強調するなど工夫しています。もちろん、それでもごく一部からは拒否反応も感じられたのですが、プライベートで Gmail を愛用していた社員も多く、移行は思ったよりもスムーズに進みました。そして、使い方さえ分かれば、後はメリットしかありません。メールを容量無制限で保存しておけることはとりわけ好評でした。」とふり返るのは、同社情報システム部の若手メンバーとして実際にその指導・サポート業務に従事した福壽 太郞氏。
もちろん、主眼となっていたセキュリティ性の向上は、現時点では期待通り。クラウド認証システム「CloudGate UNO」や、誤送信防止システム「SPC Mail」といった外部セキュリティサービスとも連動させることで、より確実性を高めた運用を実現している。Google Vault を利用した対策も怠っていない。
「一度でも何かを漏洩させてしまえば、帝国ホテルへの信用を損なってしまいます。お客さまの信頼を裏切らないためにも、考え得る危険には全て配慮したいと考えました。」(廣石氏)
各種 Google サービスを活用した新しい取り組みも始まっている
そして今後の取り組みとしては、現在は別途外部サービスを利用しているファイルサーバーについても、Google ドライブ、Google ドキュメントの利用の可能性も検討しているとのことだ。
「すでにシステム部では利用を開始しているのですが、共同編集などは非常に便利ですね。Word や Excel からの乗り換えというハードルがあるため、今すぐには難しいとは思うのですが、段階的に他部署へも広めていきたいと考えています。Google フォームを使った定型書類の電子化なども研究中です。また、実験的な取り組みとしては、社内若手スタッフによる部署横断型の意見交換会、通称「アイデア提案道場」では、Google+ を使っているんですよ」(福壽氏)
株式会社 帝国ホテル の導入事例
PDF
はこちらをご覧ください。
G Suite のその他の導入事例は
こちら
をご覧ください。
Labels
#GoogleCloudSummit
#GoogleNext18
#GoogleNext19
77 min Lunch
add on
admin
Advanced Solutions Lab
AI
AI Hub
AI Platform
Android
Anthos
API
App Engine
App Maker
apps
Apps script
ASL
atmosphere
Atmosphere Tokyo
AutoML
AutoML Natural Language
AutoML Translation
bigquery
Box
Calendar
Case Study
Chorme OS
Chrome
Chrome Enterprise
Chrome Enterprise 導入事例
Chrome for Work
Chrome ウェブストア
chromebook
chromebooks
Chromebooks for Education
Chromebooks for meeting
Chromebooks for Work
Chromebox
Chromebox for digital signage
Chromebox for meetings
Chronicle
Cisco
Cloud
Cloud Armor
Cloud AutoML
Cloud AutoML Natural Language
Cloud AutoML Translation
Cloud AutoML Vision
cloud connect
Cloud Dataflow
Cloud Identity
Cloud IoT Core
Cloud Load Balancing
Cloud Memorystore for Redis
Cloud monitoring
Cloud OnAir
Cloud Pub/Sub
Cloud Ranking
Cloud Services Platform
Cloud Storage
Cloud TPU
compliance
compute engine
Contact Center AI
Container Engine
Coursera
Deloitte
developers
Dialogflow Enterprise Edition
Drive for Work
Dropbox
earth api
Education
enterprise
Enterprise Japan
event
Evernote
Expo
Firebase
FISC
Forrester
G Suite
G Suite Business
G Suite for Education
G Suite 事例
G Suite 導入事例
G+
gadget
GAE
GCE
GCP
GCP 導入事例
GCP 認定資格チャレンジ
GDPR
GEO
GEP
GfWtips
GKE
gmail
Gmail、新機能
Gone Google
GoneGoogle
Google App Engine
Google Apps
Google Apps Blog
Google Apps for Education
Google Apps for Work
Google Apps Script
Google Apps ユーザー事例
Google Apps 導入事例
Google atmosphere
Google calendar
Google calender
Google classroom
Google Cloud
Google Cloud Certification
Google Cloud Next '18 in Tokyo
Google Cloud Next '19 in Tokyo
google cloud platform
Google Cloud Search
Google Cloud Summit '18
Google Cloud 認定資格チャレンジ
Google Commerce Search
Google Derive
Google Docs
Google Docs API
google drive
Google Drive for Work
Google Earth
google enterprise
Google Enterprise Day
Google for Education
Google for Work
Google form
Google hang-out
Google hung-out
google map
Google maps
google maps api
google maps api premier
Google Maps APIs
Google Maps for Work
Google Maps Platform
Google Message Continuity
google search appliance
Google Shopping
Google Sites
Google Springboard
Google Storage for Developers
Google Video
Google Wave
Google スライド
Google ドキュメント
Google ドライブ
Google フォーム
Google マップ
Google+
GoogleApps
GoogleApps、新機能、spreadsheets
groups
gsa
Hangouts Meet
healthcare
Hybrid Cloud Platform for Google Cloud
Inbox
INSIDE
iOS
iphone
ISAE 3402 Type II
ISO 27018
IT
Jamboard
japan
Kubeflow Pipelines
Looker
Lotus Notes
Machine learning
map
maps api
Maps 導入事例
Maps-sensei
Mapsコーナー
media
microsoft office
migration
mobile
new features
Next
Next Tokyo
OAuth
Office 365
Office of the CTO
Osaka
partner
Partner Interconnect
partner program
Partner Summit
postini
pricing
Qwiklabs
region
research
RSA
SAP
SAS70
search
Security
Security Key
seminar
Shizuoka
Signage
Sites
SMB
SSAE 16 Type II
startup
Status Dashboard
TensorFlow
Trial
Upload any files
vault
Veolia
Viacom
Virtual Conference
VMware
あっぷす先生
あっぷす先生 誤解をとく!
あっぷす先生会社訪問
イベント
インフラストラクチャ
おしえて!あっぷす先生
おしえて!くらうど先生
オフライン
クラウド
くらうど先生
サイネージ
サポート
セキュリティ
チームドライブ
チェンジマネジメント
デジタル トランスフォーメーション
テレワーク
パートナー
ハングアウト
プライバシー
まっぷす先生
ランキング
リージョン
ワークインサイト
円周率
海底ケーブル
企業検索
機械学習
互換性
事例
小売
新機能
働き方
認定資格
Archive
2019
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月
2018
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月
2017
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月
2016
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月
2015
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月
2014
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月
2013
12月
11月
10月
9月
7月
6月
5月
4月
3月
1月
2012
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
2月
2011
12月
10月
9月
8月
7月
5月
4月
2月
2010
12月
11月
10月
9月
7月
6月
5月
3月
2月
1月
2009
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月
2008
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
2007
12月
Feed
Follow @googlecloud_jp
Useful Links
G Suite
Google Cloud Platform
Google 検索アプライアンス
Google Maps
G Suite 公式アップデート情報