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インド食堂TADKA(タルカ)/烏丸御池(京都)

烏丸御池駅から徒歩数分、押小路通沿いにある「インド食堂TADKA(タルカ)」。京都ではトップクラスに有名なインド料理店であり、食べログでは百名店に選出されています。フリーで訪れ行列に並んでも良いのですが、電話で当日予約も可能なので、予約して訪れた方が精神衛生上良いでしょう。
店内は異国情緒という表現がピッタリの内装で、普通じゃない感に満ちています。テーブル席はグループ客、カウンター席はおひとり様向けという運用です。日本人が営むインド系レストランのスタッフはクセが強いことが多いのですが、当店の方々は皆とても感じが良い。
なかなか来る機会がないため、最高値の「フルミールス」を注文。2,300円です。加えてプラス200円でライスをインドのお米に変更してもらったので総額は2,500円。ランチのカレーとしては中々の値段です。
私はこっち系の料理に疎く、小鉢それぞれに入ったものが何なのか、そもそもカレーなのかどうなのかを語ることはできないのですが、野菜や豆を中心にスパイスでまとめ上げるスタイルであり、食べ飽きることなくスイスイと食べ進めることができます。
豆のカレーをライスにぶっかけて、さらにギー(精製したバターみたいなやつ)もぶっかけて、日本では中々お目にかかれない食体験。追加料金で変更してもらったバスマティライスは悪くはないのですがそれほど印象に残らず。「シナモンガーデン(CINNAMON GARDEN)」のそれのほうが記憶に深く刻まれています。
別皿でやって来たのはドライタイプのチキンカレーに魚のカレー、パロタ。パロタというのは南インドのデニッシュとも言うべきもので、小麦粉を薄く伸ばして何層にも重ねて焼かれています。外側はサクサク、内側はふんわりとした食感が特長的で、バターの風味がリッチです。
「おかわりどうですかー?」みたいな感じで追加でライスを盛ってくれます。こちらの米はタイのもので香りが豊か。タイ料理に馴染みのある私としてはコチラのほうが口に合いました。
こちらはラッサムというコショウのスープなのですが、自己申告で食べたいと言わないとサーブされないという不思議な運用です。私はネットでじっくりと予習して来たのでスムーズにお願いすることができましたが(おかわりもOKだ)、隣の女の子(赤の他人)は「何そのシステム聞いてないんだけど!」みたいな表情で無言で焦っていました。
ゴハンをおかわりしたのですっかり満腹。ごちそうさまでした。以上が2,500円でちょっと高いなあと思いつつも、これはフルラインナップで注文した結果であり、普通のオーダーであれば千円台で充分に楽しめることを考えると悪くないディールです。

何より野菜とスパイス中心で食べ疲れせず身体が軽く感じるのが良いですね。沖縄のスパイスカレー文化とはまた違った方向性であり、京都においては珍しいタイプのレストランでしょう。近くに「TADKA2」というディナータイムのアラカルト専門店もあるようなので、次回はそちらにお邪魔してみようと思います。

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To.(トゥ)/烏丸御池(京都)

烏丸御池駅から歩いて5分ほど、間之町通り沿いにある「To.(トゥ)」。京都市役所前の私の好きなイタリアン「fudo (フウド)」の姉妹店であり、2020年とコロナタイムに開業しつつも手堅く地元民の評判を集め、すっかり予約の取れないお店となりました。
店内は厨房に面したL字型カウンター席が8席に、2人掛けの小さなテーブルが2卓(写真は食べログ公式ページより)。予約で満席が当たり前の店なのに、なぜかフリーで訪れるチャレンジャーが多く、10組近くが肩を落としながら帰って行きました。ご利用は計画的に。
瓶ビールはハイネケンが770円と、京都のこの手のレストランとしてはこんなもんでしょうか。レモンサワーは880円とまあまあの価格設定なのにグラスが小さい上にほぼ氷なので、そのつもりで注文しましょう。
ツマミに「煮卵バーニャカウダ」。いわゆる半熟の煮卵にソースをドロリとぶっかけます。見た目の通りの安定した味わいです。
人気の「炙り〆さばとアボガド わさび醤油マリネ」。シメサバを炙った後にマリネしているのでしょうか、しっかりと酸が効いており見た目以上に爽やかなひと品。アボカドの熟れ具合がちょうど良かったのも二重丸。
「蝦夷鹿とワイルドクレソン 山椒のお浸し」は、レアっぽいタッチの蝦夷鹿がいいですね。これは低温調理と言うのでしょうか、力強い鉄分が食欲を掻き立てます。
せっかく京都に来ているのでハモをフリットで。万願寺唐辛子やオクラなどを細かく刻んでサルサソース風に仕上げているのがオシャレです。
麻婆豆腐は挽肉の代わりにサルシッチャを使用しており、なるほど妙味のある起用法です。他方、スパイシーさに欠け妙に甘ったるく感じた場面もあるので、好みが分かれるところかもしれません。
以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり1万円弱。「fudo (フウド)」に比べると創作料理感が強くポーションも小さめなので、居酒屋使いするのであればもってこいのお店。店員さんたちは人気店だからといって少しも驕ることは無く感じ良いのですが、料理の提供スピードが遅い割に時間制限に厳しい(次の予約が入っている)ので、使い勝手は中々に難しい。当店でパーっと食べて、酒は2次会でじっくり、といった使い方が良いでしょう。

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ユララ(YuLaLa)/河原町(京都)

京都は河原町エリア、仏光寺柳馬場を下がったところにある「ユララ(YuLaLa)」。日本におけるラオス料理界隈で知らない人はいないお店です。店名は現地の言葉で「ぼーっとする」という意味とのこと。
店内はカウンターに2席にテーブル席が数卓と個室がひとつ。4組で満席の小さいお店なので、必ず予約して訪れましょう。

岡田尚也シェフは大学院生として焼き畑農業の調査にラオスを訪れた際、彼の地の「料理にすっかりハマったそう。首都ビエンチャンで10年間レストランを営み、2015年に帰国し当店を開業しました。
ラオスの飲み物が充実しており、まずは現地のビールをひと通り。続いてお米の焼酎「ラオラオ」も楽しみ、これは泡盛によく似たテイストで親しみやすいですね。ちなみに泡盛はタイ米を用いて造らることは意外に知られていませんこれ豆な。
すぐ出る小鉢料理。手前は海老をスパイシーに調味し小夏と共に楽しむ爽やかな逸品。オクラはラオスの納豆的な何かを敢えており、不思議と既視感を感じる味わいです。
青マンゴーのサラダ。いわゆるタイのソムタム的な料理であり、見た目以上に全く辛く、一撃で汗が噴き出てきます。
ややこしい料理名だったので失念しましたが、豚つくねと発酵させた青菜を玉子と共に炒めたもので、豚肉のコクと青菜の奥行きのある味覚が乙な味。
「サイウア」はラオス風の自家製ソーセージ。色んなスパイスがたっぷり練り込まれビールが進みます。香りも豊かでパリっと香ばしく、食欲を掻き立てる味覚。付け合わせのパイナップルの甘味と酸味と絶妙にマッチし、本日一番のお皿です。
〆に「カオソーイ」。タイ料理として良く知られた単語ですが、当店のそれは仕様が全くことなり、トマトを土台に発酵を進めた肉味噌が後を引く美味しさ。米粉のきしめん的なヌードルも実に印象的です。
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以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり8千円強。決して安い飲み屋ではありませんが、ラオス料理というニッチな分野(店主は専門書を執筆するほどの第一人者だ)で、しかもしっかり旨いことを考えれば実にリーズナブル。次回はグループで訪れて、もっともっと色んな料理を試してみたいと思います。


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RADICE (ラディーチェ)/丸太町(京都)

丸太町駅から二条城方面へ歩いて5分ほどの場所にある「RADICE (ラディーチェ)」。食べログではブロンズメダルを受賞し、百名店にも選出されています。薪焼き自慢の「CAMPO su OVEST(カンポ スゥ オーベスト)」とは目と鼻の先です。
店内は厨房に面したカウンター席が主力で、テーブル席もあります(写真は食べログ公式ウェブサイトより)。小さなお庭がかわちいです。オープンは2013年とのことですが、コロナあたりで大きく改装し業態も変えたとのこと。

根本義彦シェフは日本料理界隈で料理人としてのキャリアをスタートさせ、20代の半ばでイタリア料理に転身。イタリア本国で経験を積み、帰国後は木屋町「Vineria t.v.b(ヴィネリア ティー・ヴイ・ビー)」の厨房を預かったのち独立。
ペアリングがオススメとのことで、フルのペアリングでお願いしました。お料理ごとに合わせて計8杯ほど。イタリアワインだけでなく世界各地の銘酒を取り扱うスタイルで、ワイン樽で熟成させた満寿泉を上手く起用するなど面白味がありました。
仕事ぶりは中々、いや、かなりスローモーです。予約時間の18:00にお邪魔し、最初のひと品が出て来たのが18:20であり、こんなことなら18:15に来れば良かった。その後も皿出しのテンポは悪く、お隣の同伴の女の子などは時間が気になって気になって仕方がないようで気の毒でした。
気を取り直してスフォルマート。いわゆるイタリア風の茶碗蒸しであり、焼き茄子が組み込まれており深みのある味わい。ウニも必然性を感じさせる登板です。
定番のニョッコフリット。ニョッキを揚げたようなドライに生ハムを山ほど盛り付けワインの進む逸品。シュー生地の中身にはフォアグラのアイスクリーム風が組み込まれており、甘めのワインと共に大人の味わいです。
パンツェロッティが絶品。具材をピザ生地で包んで揚げたような料理であり、中にはウナギとトウモロコシ、チーズがギッシリ。単に揚げているだけではないのか生地からは不思議な弾力が感じられ、本日一番の料理です。
ポルケッタすなわち豚バラ肉のローストは薄切りにしてシーザーサラダ風に頂きます。ヨーグルトの酸味が思いきり効いており、そしてこれがまた良く合う。シェフのセンスを感じさせる逸品です。
パンにはローズマリーが含まれているんだったっけな。口に含むとジュワっとジューシーなテイストであり私好み。何個もバクバク食べちゃいました。
冷製パスタはバターを主軸に全体を風味づけ、たっぷりのサザエとその肝のソースで楽しみます。冷製パスタって髪の毛みたいに細いものであることが殆どですが、なるほど平打ち麺というのも面白い。
アマダイはウロコを揚げて焼いてパリパリの食感。お魚のエキスにポルチーニの風味が溶け込み、それを焼きリゾットがたっぷり吸って、最強の西洋風タイ茶漬けみたいになってます。
メインは鹿児島産の和牛。これは肉の特長なのか熟成や焼きの技術なのかとにかく香りが良く、味わいが実に複雑。キャベツも単に丸焼きしただけなのに甘味が増してとても美味しい。
お口直しにピンクグレープフルーツ。ほどよい酸味にバラの香りが漂い、食べる香水のようです。
〆のパスタはタリアテッレ。マスのほぐし身にコールラビを加え、ちょろっとピリっと味わいにアクセントがきいています。
デザートはティラミス。いわゆる再構築系なのですが、エスプレッソの部分がシャリシャリしてて、有りそうで無いひと品です。
お茶菓子も用意されており、ピスタチオがたっぷり練り込まれたジェラートが嬉しいですね。これもっと通常のジェラートサイズでバクバク食べたい。ハーブティーでフィニッシュ。ごちそうさまでした。
以上を食べ、フルフルのペアリングを付けて3万円弱。冒頭にスピード感に難ありと記しましたが、それを除けば総じて満足のいく食体験であり、ワイン選びも的確に感じました。上手く表現できませんが、シェフは何かとてもセンスが良いと思う。記憶に残る料理を創ることができる。人はそれを才能と呼ぶ。

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