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横浜の中華街は作られたテーマパークに過ぎない。リアルな中国は池袋にある。

日本にある異人街を探検するのが好きで、ここ最近では大久保のイスラム横丁大阪のコリアタウンなどにお邪魔してきました。この日はコチラの本をを参考にガチ中華タウン池袋へ。
まずはガチ中華ブームの立役者である「友誼食府(ユウギショクフ)」へ。JR池袋駅の「西口(北)」という、どっちやねん出口をでてすぐの雑居ビル4階へ。日曜日の真昼間からガールズバーの呼び込みがあることに漠然とした恐怖を抱きます。
エレベーターを出てすぐに蛍光灯ビカビカのスーパーマーケット風の空間が広がります。実際こちらは「友誼商店」という中国食料品店であり、その併設のフードコートとして「友誼食府(ユウギショクフ)」が入居しています。
一見、どこにでもあるスーパーマーケットですが、そこにあるのは漢字の洪水。成城石井やカルディも真っ青の少量多品種な品揃えであり、しかも殆ど全ての商品が中華系です。
ビーフンだけでもこの品揃え。ちなみに私は前日にビーフンを名産とする台湾は新竹市から帰国したばかりであり、似たような光景が未だ続いていることに不思議な既視感を覚えます。
冷凍ではありますが肉類も充実。中国料理では定番の鶏の脚も山ほど在庫があります。
さて本題。併設のフードコート「友誼食府(ユウギショクフ)」へ向かいます。フードコートと言っても20席ほどの小さなイートインスペースといった程度であり、屋台ほどの小さな店舗が5-6軒ほどが並んでいます。「お台場たこ焼きミュージアム」に似た雰囲気と言えば分かり易いでしょうか。
旨そうな串があると覗き込んでいると、「〇※■×!!!」とガンガンに呼び込みがかけられます。日本のフードコートで呼び込みされるという体験は中々ないので、ここは完全に外国なんだと再認識。
お会計の方式は少し変わっていて、各店舗で食べたいものを注文すると合計金額が書かれた紙が手渡され、その金額を前述の「友誼商店」で支払い、手渡されたカードを店舗に手渡すという運用です。ちなみにそのカードには恐らくスイカ的にチャージがされており、常連客はカードそのものを所有しているようです。
ちなみに飲み物は「友誼商店」で買ったものを持ち込み可能です。料理への支払い含めてPayPayが使えるので便利です。また、テーブルには台拭きやペーパーナプキンなど気の利いたものは一切ないので、ウェットティッシュを持参すると良いでしょう。トイレは「友誼商店」の奥にあります。
前置きが長くなりました。先ほどの串は1本100円。色々な部位が用意されており、好きなものを選びます。個人的には何かの内臓が好きでした。
よだれ鶏。日本の中華料理店のそれに比べると良い意味で雑な仕上がりであり、味わいも暴力的です。
これまでは四川系でしたが、こちらは上海系。「葱油麺」という料理のようで、その名の通りネギの風味がきいた油そばで1杯500円。店員が居らずどうやって注文するんだろうと戸惑っていると、客席で飲み食いしてたオッチャンが急に立ち上がり「〇※■×!!!」と、貴方がシェフでしたか宜しくお願いします。
続いて2階の「食府書苑(ショクフショエン)」へ。もともとは旅行代理店と書店を兼ねたお店だったようですが、コロナ禍で旅行代理店から飲食店へと鞍替えした面白い経緯を辿るフードコートです。
4階の「友誼食府(ユウギショクフ)」はあくまで食料品店併設といった位置づけですが、2階はフードコートがメインに感じました。そのため客席数も多く広々としており、ティッシュペーパーや消毒液などの用意もあります。
こちらも各店舗で注文後、その合計金額を総合レジで支払います(PayPay可)。ただし我々が訪れたタイミングが空いていたからそのような運用だっただけで、誰が何を注文したのか管理不能なほど混雑している場合はどうしているんだろう。
注文後、「ビャンビャン麺」が目の前でハンドメイドされていきます。ちなみに「ビャン」という漢字は中国料理界隈では最高難度として知られており、

このように1文字で100画ぐらいあります(画像はwikipediaより)。
「ビャンビャン麺」が出来上がりました。見た目はまぜそば、何なら汁なしの二郎のようなフォームをしています。チャーシューのような肉はありませんが、そのぶん青菜やキャベツなどのお野菜がたっぷりと用いられています。
麺はきしめんを2-3倍幅広にしたようなブロードバンドであり、ハンドメイド特有の不揃いな食感が心地よい。刀削麺のような食べ応えがあり、麺そのものがとても美味しい。
店員が身振り手振りでオススメしてくれた「西安肉夾饃(シーアンロオジャーモーシ)」。コンビーフをピザ生地でサンドしたような料理であり、日本人にも親しみやすい味わいです。ちなみに日本語は殆ど通じませんが、みな親切なので何とかなります。たぶん。
こちらは「汽鍋鶏(チーコージー)」 。雲南地方の名物料理であり、鶏肉を蒸し器でじっくりと蒸し上げる料理。食材から出てくる水分だけで作る薬膳スープとも言えます。なるほど滋味溢れる優しい味わいであり、風邪をひいた時に食べたくなる味覚です。
楽しかった。もちろん中国に行き慣れた方にとっては割高に感じるかもしれませんが、あくまでここは日本であり、東京でこのクオリティの中国料理とライブ感を楽しめるという意味では実にエキサイティング。「東京アメリカンクラブ」を訪れた時のようなリアルな興奮が余韻として残っています。
ちなみに当館から北へ歩いて数分に「沸騰小吃城」という、これまたリアルな中華フードコートがあるので、次回はコチラに訪れてみたいと思います。

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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。

本場志向で日本人の味覚に忖度しない中華料理が食べたい方へ捧ぐ書。東京の、中国人が中国人を相手にしている飲食店ばかりが取り上げられています。ある意味では中国旅行と同じ体験ができる裏技が盛りだくさん。

イル・テアトロ (IL TEATRO)/目白

「フォーシーズンズホテル椿山荘東京」からリブランドした「ホテル椿山荘東京」。森のような庭園を軸に「和」のおもてなしを前面に打ち出すことで差別化を図ろうと、藤田観光が本気を出し始めました。今回はそのメインダイニング「イル・テアトロ (IL TEATRO)」にお邪魔します。
店内は50席ほどで、バリバリにヨーロピアン・クラシックな内装。天井からはシャンデリアが下がり、フラワーアレンジメントも美しい。加えて大きな窓から臨む優雅な庭園が何よりのごちそうです。

田畑成シェフは藤田観光のホテルでフランス料理を学び、パリでは「Four Seasons Hotel George V」で腕を磨きました。ほう、イタリア料理店なのにシェフの出自はフレンチなのですね。
ワインリストが圧巻。都内のイタリア料理店としてはトップクラスの分厚さであり、よくもまあこんなにもイタリアワインばかりを揃えているなあと舌を巻く。せっかくなので泡のグラスに白を1本、赤をグラスで。ランチなのにすっかり酔っぱらってしまいました。
他方、アミューズは全然美味しくありません。何なんだこの紫色のニョロニョロは。これはひと皿としてプレゼンテーションするのではなく、パンの添え物としてさりげなく置いておくぐらいでちょうど良いでしょう。
気分を変えて前菜。生のホタテと柿をどないかしたやつなのですが、調味が弱くパンチがありません。ぐぬぬ、先の紫色の謎の物体しかり、私の口には合わないお店なのか。
パスタは2種からのチョイスであり、私はマルタリアーティを選択。マルタリアーティとは「乱雑に切る」が本来の意味だそうで、不揃いな平たいパスタ。ラヴィオリなどをくりぬいた残りの生地などでも作られるそうで、SDGsを意識する私にぴったりのパスタです。鴨のラグーソースがたっぷりとぶっかけられ、中々のサイズの鴨胸肉もトッピングされ食べ応え抜群。味付けも強く、先のホタテと同じ店の料理とは思えない存在感です。
パンは2種であり、手前はいわゆるフォカッチャでしょうが、適度に油っぽくジューシーで美味。おおー、何だかエンジンがかかってきたあるね。
リゾットはサフランで色味を与えパルミジャーノ・レッジャーノで旨味を添加。素朴でベーシックな味わいであり、お凌ぎ的なポジションかもしれません。  
魚はメカジキ。カダイフを巻き付けてバリっと揚げており、カダイフのサクサクとした食感にメカジキのホクホクとした身がベストマッチ。オレンジやフェンネルの香りもセンスが良く、付け合わせのナスや酸味のきいたソースも高次元。何だよメチャクチャ旨いじゃん。紫色のニョロニョロ作ったやつ誰だよ。
お肉料理は牛フィレ肉にフォアグラをのっけてロッシーニ風に。これはもう、完全にフランス料理ですね。というかこのあたりお隣さんの国なので、メインディッシュに国境は無いのかもしれません。王道の味わいであり赤ワインが進みます。
デザートは当店オリジナルのティラミス。なるほど生地とクリームが幾層にも重なり凝った仕様です。が、味は一般的なものであり、個人的にはもっとチーズがコッテリしたスタイルのほうが好きでした。
小菓子と紅茶で〆。ごちそうさまでした。

ホテルのダイニングだし店名ダサいしで正直期待しておらず(失礼)、紫色のニョロニョロからホタテにかけてのお気持ちは無惨なものでしたが、パスタからは大きく挽回し、魚料理でビッタビタに昇天。結構飲んだのにお会計はひとり2万円を余裕で切っており、ホテルのメインダイニングの食事としてはかなり良心的と言えるでしょう。サービスにも安定感があり、接待や親族のイベントにちょうど良いかもしれません。お庭がキレイなので、まずはランチでどうぞ。

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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。

日本のイタリア料理の歴史から現代イタリアンの魅力まで余すこと無く紹介されており、情報量が異常なほど多く、馬鹿ではちょっと読み切れないほどの魅力に溢れた1冊です。外食好きの方は絶対買っておきましょう。

かぶと/池袋

食べログうなぎ部門1位の池袋「かぶと」。ポイントは4.48(2020年7月)でシルバーメダル獲得、当然に百名店入りと、名実ともに世界トップランカーです。数年前に2代目となり(親子というわけではない)、数年待ちの電話予約スタイルからOMAKASEへと移行し、ある意味だれでも行けるようになりました。指定された時間に軒先へ行き、名前を呼ばれて入店するというスタイルです。
大将の真向かいの席を確保。目の前で生きた鰻が生きたままさばかれ、そのまま炙られていく圧倒的ライブ感。我々は初めてお邪魔するので全てを店主にお任せしましたが、常連客であれば色々とワガママを聞いてもらえるそうです。なお、天然鰻につき、初めてのゲストは味が良くわかっていないので出さず、養殖のみを提供するとのこと。
生ビールはサントリーのクラフトビール「東京クラフト ペールエール」。その他、ハートランドやプレモル(だっけ?)、日本酒などなど、酒類は良心的な価格設定でした。
お通しに大根の漬物。これはまあ、見たまんまの味わいです。
串に入ります。まずは「えりやき」。こちらは関東風で一度蒸しているとのこと。美味しいのですが、自由が丘「ほさかや」武蔵小山「梅星」と大きく違うかと問われると私は上手く答えることができません。
こちらは関西風。うん、こっちの方がバリっと風味が香ばしく、酒のアテにピッタリです。
「焼き物ができるまで豆腐やお新香などいかがですか?量は?」と訊ねられるのですが、これがコース(?)に込みなのか従量課金制なのか不明であり困惑する。メインの鰻やライスまでサイズを聞かれるので、何がどうだったらいくらになるのか気になる人は気になるかもしれません。ちなみにこの寄せ豆腐はクリーミーでめっちゃ美味しい。
さばかれたばかりの鰻の心臓。まだピクピクと動いており度胸が試されます。また、落としたばかりの鰻の生首を天然と養殖で嗅ぎ分けるというイベントもあるのですが外人には厳しいかもしれません。もっと言うと、「一見には養殖モノしか出さない」と明言した上で天然と養殖と比べさせるというのはまさに格差社会。あまり気持ちの良いパフォーマンスではありません。「どうです?養殖モノは生臭く感じませんか?」とニコニコ訊ねられても、いや、俺ら今からその生臭いモノ食べるしか選択肢ないんだけど。
ヒレ焼きに
肝焼き(ひも焼き?)と串が続きます。このあたり鰻の部位について私は知識が乏しいので分析的に食べることが難しかった。
お新香は減農薬・無農薬のお野菜を用いているらしく、きちんとした割烹料理屋で食べるそれと同等の美味しさです。
一口蒲焼き。おっ、鰻っぽくなってきたぞ。いわゆる蒲焼の串タイプであり王道の美味しさ。
クシマキ(?)に
レバー。レバーはなるほど肝臓だなという味わいであり、どの動物であってもレバーは似たような味なんだなあと生命の神秘を感じた瞬間です。
白焼き。美味しいのですが、かなり待たされたなあという印象のほうが強い。味覚も「さすが食べログ1位や!」と悶絶するレベルかというとそうでもなく、いわゆる一般的な鰻の名店の白焼きとそう変わりません。個人的には河津「大川屋」の白焼きのほうがマッチョで好き。
かば焼き。やはりかなり待たされました。鰻とはそういう料理だと頭では理解しつつも、口元の淋しさからは逃れられません。味わいについても美味しいは美味しいのですが、これが世界最高峰の蒲焼かと問われると首を傾げてしまう。鹿児島「うなぎの美鶴」の鰻重のほうが私は好き。
ライスは普通のライスです。常連客はダバダバに鰻のタレをかけてもらっていたのでうらやましす。
肝吸いも、一般的な鰻屋のそれです。

ひと通りを食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり1.3万円ほど。都心で結構な量の鰻を食べたことを考えればリーズナブルと言えるでしょう。しかしながら1.3万円は1.3万円であり絶対額としては高価。加えて予約の困難さを考慮に入れると、おすすめするには人を選ぶなあという印象です。
さて、ここからは好みの問題なのですが、鰻のような個性的な食材を長時間かけて繰り返し食べ続けるという行為が私はどうやら苦手なようです。鰻を食べるなら名古屋「うな富士」のように即本番の一発勝負か、「と村」「くろぎ」のように流れの中にアクセントとして忍ばせるという芸風のほうが私は好き。しかしながら、一緒にお邪魔した方は純粋な鰻ラヴァーであり「これは旨い!安い!」と褒めちぎっていたので、やはり好みは人それぞれです。

「食べログ1位だ!」などとネットの情報に踊らされることなく、うなぎ料理屋にのんびり飲みに行く、ぐらいのテンションで、気負わず訪れると良いでしょう。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。