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森のうどん屋 しおん/伊予(愛媛)

松山空港の前後で何か食べようとグーグルマップで見つけた高評価のお店「森のうどん屋 しおん」。松山空港から車で20分ほどの田んぼのど真ん中にあります。大きな楓の木が目印です。営業時間は土日のランチのみと、訪問難度が高いお店でもあります。
ここは飲食店なのか?と不安になるような店構えであり、不安を胸に抱えながら駐車していると、お店の中から女将さんが「いらっしゃーい」と出迎えに来てくれます。店内にカウンター席と少しだけテーブル席、お外にはテントを張ったオープン席もあります。
うどん屋なのですが単品の揚げ物も充実しており、さっそく宇和島名物の「じゃこ天」を注文。まさに揚げたてのアツアツであり、少し苦味のきいた魚介の風味が堪りません。そういえば大洲名物の「志ぐれ」も置いてありました。
えび天は揚げ衣の粒子が細かく珍しい仕様です。このサイズのえび天を食べて150円はお値打ちでしょう。
スペシャリテの「ざるワカメうどん」。自家製麺で、ワカメを練り込み青竹踏みで鍛えています。瑞々しい口当たりでモチモチとした食感が特長的。見た目ほど風味はワカメワカメしておらず、ブラインドで食べれば気づかないかもしれません。
こちらは「とり天ぶっかけうどん」。とり天がのっているだけかと思いきや、カボチャやサツマイモ、ニンジンなどの根菜も多くお腹に溜まりました。

麺についてはワカメに比べると更にツルっとした印象があり喉越しが良いです。ちなみに当店のうどんは全て生麺から茹で始めるので、注文から出来上がりまで15分を要します。場所も場所ですし、混雑度合いも読みにくいので時間に余裕を持って訪れましょう。
うどんは1杯500円程度でトッピングを付けたり大盛りにしたりしてもひとり千円を超えることはまずないでしょう。田園風景の中という特殊な立地のもと、老夫婦の感じの良い接客を楽しみながら旨いうどんを啜る。天気の良い週末にどうぞ。

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TOBE オーベルジュリゾート(Tobe Auberge Resort、宿泊)/砥部(愛媛)

伝統工芸品「砥部焼」で有名な砥部町に2010年に開業した「TOBE オーベルジュリゾート(Tobe Auberge Resort)」。通谷池に面した魅力的なランドスケープデザインであり、この広大な敷地にして僅か10室というスモールラグジュアリーリゾートです(写真は公式ウェブサイトより)。
バレーパーキングで車を預け、レセプション棟でチェックイン。スっとウェルカムドリンクが差し出され気分が高揚します。ちなみにこの建屋にはバーとレストランが入っており、宿泊棟へはカートで送迎して頂けます。
お部屋は2階建てのヴィラの上階にご案内頂けました。木材を多用した内装でスタイリッシュ。なのですが、細かな部分でシステマティックでなく、居心地はあまり良く無いです。動線が悪く配線の取り回しも悪い。ボタンひとつでジャーンとカーテンが開いたり、マスタースイッチひとつでバチンと全ての照明が落ちる生活を送っている身としては、「この照明のスイッチはどれだろう」と探し回らなければならない仕様は不便です。
ベッドの寝心地は悪くないのですが、枕が1種類しか用意されておらず高さも妙に高い。何種類か用意した上の選択制にしたいところです。加えてエアコンの風が顔面に直撃する設計どうなんだろう。

また建物につき、音が良く響く構造となっており、扉を閉める音や歩行音などがビッグです。気になる方は予約の時点で上階を確約しておいてもらうと良いでしょう。
テラスで湖を眺めながらのんびりするのですが、ネットが遅すぎて使い物にならないですね。テレビが無いから皆、動画でも見ているのかもしれません。デスクも無いためPC作業も難しく、そもそも回線が細いためテザリングする必要もあります。
冷蔵庫の飲み物はアルコールを除いて自由に楽しむことができます。コーヒーはミルが置かれており手挽きで淹れる必要があるのですが、これが実に面倒くさい。もちろんこういった行為に風情を感じる方がいることも理解できるので、ネスプレッソとの選択制にして欲しいところです。
クローゼットは小さく、また部屋から一旦退室し土間からアクセスする必要があります。スノーリゾートでもないのにこの仕様は何なんだろう。荷物を置く場所や広げる場所も限られており、身軽な装いで訪れる必要があります。
ウェットエリアの使い勝手は最悪で、バスタブ・シャワー・トイレ・ベイシンが全て一体化しており、その全てがガラス張りで丸見え。何をするにもいちいち手動でカーテンを引く必要があり、人生で一番カーテンを引いた日かもしれません。
奥がバスタブ、手前がシャワーブース。見て下さい、この透け感を。カーテンを引くにしろチラチラと見えてしまう場面が多いので、長年連れ添ったパートナーとでしか滞在は難しいでしょう。当館には秋篠宮文仁親王とマダム小室眞子が訪れたことがあるそうですが、相当に困惑したことでしょう。
夕食はカートにお迎えに来ていただきレストラン棟で楽しみます。詳細は別記事にて
朝食はレストラン棟の個室をご案内頂けました。池に面しているので夜は真っ暗ですが、明るい時間帯の眺望は素晴らしいの一言です。
愛媛らしくミカンのジュースで乾きを潤し、自家菜園のお野菜で内臓にエンジンをかけます。
カボチャのポタージュが実に濃厚で、カボチャよりもカボチャの味がするかもしれません。パンにつきクロワッサンのレベルが高く、思わず笑みがこぼれます。
焼き野菜にシャルキュトリ。ベーコンにズバっと塩気がきいて美味しい。個人的には前夜の病院食のような調味よりも断然こっち。
桃のコンポートでフィニッシュ。ごちそうさまでした。朝食うまいやん。量も丁度良い。

以上、ふたりで泊まって軽く飲んで夕朝食が付いて1部屋10万円。愛媛は食材の宝庫なので食事に大そう期待して訪れたのですが、調味についての考え方が合わず、また宿泊施設としての設備も好きになれなかったので、かなり割高に感じました。

ランドスケープは文句ナシなのに設備面で色々と惜しく、富山の「リバーリトリート 雅樂倶(がらく)」に近いものを感じました。外資系のシステマティックなホテルに泊まり慣れた人にとっては色々と思うところが多いかもしれません。

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TOBE オーベルジュリゾート(Tobe Auberge Resort、夕食)/砥部(愛媛)

伝統工芸品「砥部焼」の産地として知られる砥部町にある「TOBE オーベルジュリゾート(Tobe Auberge Resort)」。1泊10万円は下らない高級宿であり、メインコンテンツは何と言っても地元の食材を活かしたディナーです。
湖に面したカウンターが印象的。部屋全体の照明は落とされているのですが、厨房ならびにゲストの手元にはスポットライトが当たっており、舞台さながらのシチュエーションです。もちろんグループ客にはボックスシートひいては個室も用意されます。
宿代と食事代は高価ですが、アルコールについての値付けは控えめ。道後の地ビールは千円ほどでありグラスワインも千円台。ボトルワインの値付けも悪くありません。私はこのあたりで生産されており、あまり市場に流通していないロゼワインを中心に楽しませて頂きました。
まずはワタリガニのフラン。殻を焼いているのか甲殻類の香ばしい風味が特長的。調味はごくごく控えめであり、アジコイメ原理主義者の私にとっては少々物足りなく感じました。
こちらは太刀魚。トマトを挟みビーツの風味と共に頂きます。こちらは酸味が鮮やかで、太刀魚のたっぷりの脂と共に胸が上下する美味しさです。
地元の黒アワビと茄子。シンプルに蒸しているだけなのか、和食のそれに近いものを感じました。
前菜の大きなプレートは自家菜園のお野菜と瀬戸内の幸が百花繚乱。これはもう、文句なしに美味しいですね。素材の勝利とも言えるひと皿でした。
ゴボウとゴマのポタージュ。悪くはないのですが、やはり調味が物足りなくピントがボヤけたように感じてしまいます。もちろん私がバカ舌なだけという疑いもあります。
パンは3種類用意されるのですが、いずれもプレーンな味わいであり、調味弱めな料理に合わせるには物足りません。今回に限っては単品で食べても成立するようなオカズパン的なものが向いているように感じました。
お魚料理は地元で獲れたアコウ。ソースはお魚のエキスを用いたものですが、やはり病院食のように塩気に乏しく、切れ味が鈍く感じました。
メインは伊予黒毛和牛の炭火焼き。こちらも丁寧に調理され繊細なソースも用意されているのですが、箱入り娘のように面白味のない味わいであり、何とも振るいませんでした。赤ワインを注文するのを見送った程です。
デザートは地酒の酒粕を用いたブランマンジェと和三盆のアイスクリーム。こちらは繊細かつ分かり易い味覚であり美味しい。前菜の大きなプレートに比肩する記憶の強さです。
地元の手摘み紅茶とマカロンでフィニッシュ。ごちそうさまでした。

地元の食材を多用したコース仕立てで旅行者には堪らない構成ですが、素材そのものの風味を大切にし過ぎるきらいがあり、繰り返しにはなりますが塩強め血圧高め用意周到に動脈硬化を進めている私の口には合いませんでした。量も少ない。

まあこの辺の感じ方は人それぞれなので、繊細な醤油ラーメンとかブルゴーニュとか清純派女優が好きな方は楽しめるかもしれません。何と言っても私はトンコツ、ボルドー、グラドル派なのだ。

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かめそば じゅん/松山

「でゅえっとのミートソース」に続き、松山のソウルフードである「かめそば」。昭和30年代に創業した「かめ」という飲食店のスペシャリテが焼きそばであり、「かめ」の「焼きそば」がキムタク的に変化して「かめそば」と呼ばれるようになったそうです。
場末の居酒屋という雰囲気の店内。カウンター席が主体で、奥に座敷もあるのかな。たまたま前園と中田がチャリで愛媛を旅する番組が放送されており、店内中の皆がテレビに見入っています。
ワンドリンクオーダー必須の店だったので、せっかくなので「生ビールセット」を注文。1,800円です。まずはキンキンに冷えたジョッキでビールをギュっと飲む。
「とうふおでん」のハーフサイズ。優しい味わいに心なごみます。後の「かめそば」もそうですが、鰹節をたっぷりかけるのが松山スタイルなんかな。
おでん3種は好きなものをチョイスできるので、私は厚揚げ・がんも・牛スジを注文。気づいたら大豆だらけである。味はまあ、一般的なおでん味です。
真打登場。「かめそば」です。焼きそばに近い料理であり、ソースではなく薄目の醤油風味。ベビースターラーメンの醤油味をお湯でふやかしたような味わいです。
素朴というか何というか、平たく言うとあまり味がしません。それを補うために鰹節とちりめんじゃこが山ほどトッピングされており、何とも不思議な食べ物です。
これはもう完全にご当地B級グルメであり、味覚がどうのこうのと論じる対象ではないと感じました。名物に旨いものなし。ソウルフードとは人畜無害なものなのだ。

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